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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)3041 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

所論一は、原審の判断を経ていない事項で本件と無関係の背任事件捜査に関する

事情を訴えるもの、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

所論二で主張する各調書中の被告人供述が任意牲のないものであることは記録上

認められない。所論は単なる法令違反の主張に帰し同条の上告理由に当らない。

所論三は、原審で主張判断を経ず、所論四ないし一五も、ともに、すべて同四〇

五条の上告理由に当らない。

弁護人島田満の上告趣意第一点について。

所論は被告人に対する拘禁を不法なりとして憲法三一条、三四条違反をいうけれ

ども、記録によれば、所論背任の嫌疑による勾留は昭和二八年三月一一日に執行せ

られたが、その勾留期間は「事案復雑、関係人多数にして取調に日時を要するため」

同月二七日まで、更に同一理由で同月三〇日まで延長せられたこと明らかであり、

一方、「同月二六日背任の罪なしと断定せられた」事跡は認められない。また、記

録によれば、本件収賄について同月三〇日一部起訴があり同日附で勾引状が発付執

行せられ翌三一日勾留状が合式に発付せられたことも明らかであるから、所論同月

二八日、二九日の勾留その他右勾引勾留手続を違法とすべき理由は認められない。

してみれば、所論は、本件に関連する被告人の勾引勾留等に関する手続上の事実と

異る拘禁関係事実を主張し、これを前提として所論拘禁を令状に基かない不法のも

のといい、よつて所論調書が不法拘禁中の作成にかかる証拠能力なきものとし、憲

法三四条、三一条違反を主張するに帰し、結局違憲、違法等の所論は前提を欠くに

帰し採用することができない。

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同第二点ないし第四点は単なる法令違反、事実誤認の主張であつていずれも刑訴

四〇五条に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三二年三月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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